2004年08月08日(日) 03時14分
債権回収装い架空請求 「法相許可」名乗る業者 ネット料金被害急増(産経新聞)
法務大臣の許可を得た「債権回収業者(サービサー)」を名乗る民間業者から、覚えのないインターネットなどの有料番組の料金を架空請求される被害が全国で相次いでいることが七日、国民生活センター(東京都港区)の調査で分かった。ネット有料番組の昨年度の架空請求は全体で四十六万二千六百七十五件と平成十三年度の約二十七倍と急増しており、同センターは「今年度に入っても勢いが弱まる気配はなく、手口はますます悪質化している」と注意を呼びかけている。
「サービサー」は、従来、弁護士しかできなかった債権管理回収を特例として認められた民間業者。「債権管理回収業に関する特別措置法(サービサー法)」に基づき、法務大臣の許可制となっている。本来は不良債権処理が目的のサービサーは、出会い系サイト、アダルトサイト、ツーショットダイヤルなどの利用料金を請求することはできない。
センターによると、手口は実在するサービサーを名乗ったり、「法務大臣許可」をアピールして架空請求するケースがほとんど。今年に入って被害を訴える相談が全国的に激増しているという。
神奈川県内に住む五十歳代のサラリーマン男性は七月、「当社は特別法に基づき法務大臣から許可された債権回収業者です」と書かれたはがきを受け取った。はがきは、自宅への取り立てや法的手段などをちらつかせ、連絡を要求していた。
東京都内の三十歳代の主婦も同様のはがきを受け取った。身に覚えはなかったが連絡先に電話したところ、「一万五千円が未納になっている。訴訟の取り下げに必要な弁護士費用四十万円を支払え」と請求されたという。
サービサー法は、一般消費者になじみの薄い法律。架空請求業者は消費者の知識の不十分さを突いたとみられ、法務省審査監督課は「まさに『世に盗人の種は尽きまじ』。架空請求の業者の一覧をホームページで公開しているので注意してほしい」と話している。
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≪債権回収会社(サービサー)制度≫ 不良債権の処理促進を目的として、「債権管理回収業に関する特別措置法(サービサー法)」が平成11年2月に施行されたことをうけ、法務大臣の許可を受けた民間業者(サービサー)に債権の管理回収が解禁された。管理回収できる債権は銀行などの金融機関が保有する貸付債権、破産宣告や再生手続き開始の決定を受けた者が有する金銭債権など「特定金銭債権」に限られている。(産経新聞)
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