2004年08月07日(土) 00時00分
看護師ら「ヒヤリ」5339件(朝日新聞・)
横浜市は、市立の4病院で03年度に起きた医療事故や、事故には至らなかったものの医師や看護師らが「ヒヤリ」「ハッ」とした事例の報告をこのほど一括公表した。公表された医療事故は市民病院で起きた1件、「ヒヤリ・ハット事例」は4病院で計5339件だった。
市民病院で医療事故が起きたのは昨年9月。50代の女性患者が手術を受けた際、止血用に使ったガーゼ1枚を腹部に残したまま縫合。翌日のレントゲン撮影で判明し、その翌日にガーゼを取り除く手術をした。
一方、4病院それぞれの「ヒヤリ・ハット事例」の報告数は、市民病院2417件(前年度2373件)▽港湾病院901件(同1180件)▽脳血管医療センター1963件(同1483件)▽アレルギーセンター58件(同94件)。全体では前年度より209件増えた。
脳血管医療センターは急増理由について「これまでは職員が『報告するまでもない』と考え、院内のノートに記録するにとどめていた事例も報告することにしたため」としている。港湾病院で件数が減少しているのは、来年4月に民営化が予定されていることの影響で患者数が減ったことや、看護師の新規採用を抑えたためとみられるという。
各病院の「ヒヤリ・ハット事例」の内訳をみると、それぞれ看護師や助産師によるミスが7〜9割を占めた。また、薬剤の取り扱いミスが2〜4割と目立ったため、各病院は「タキソール」と「タキソテール」、「アマリール」と「アルマール」など間違いやすい名称の薬の一方を廃棄したり、注意書きを添えたりする対策を取った。
4病院の「ヒヤリ・ハット事例」が5千件を上回ったことについて市衛生局は「こうした事例を明らかにすることで、大事故につながりかねないミスを職員で共有でき、具体的な対策に結びつけられる。事例の件数が多いのは悪いことではなく、医療事故の減少に役立てられればいいのではないか」と話している。
(8/7)
http://mytown.asahi.com/kanagawa/news02.asp?kiji=5774
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