2004年08月07日(土) 02時19分
急増する悪質商法 未然に防げ 事業者に立ち入り調査 福岡市(西日本新聞)
【福岡】 安全で安心できる消費生活の実現に向けて、福岡市は六日、新たに制定する「市消費生活条例」案を発表した。架空請求などさまざまな悪質商法が増え、消費者トラブルが急増する中で、これまでの相談・啓発事業に加え、事業者への立ち入り調査や勧告、公表による指導で被害防止を図るのが狙い。市民から意見を募って最終案をまとめ、十二月議会に上程、来年四月施行を目指す。
市消費生活センターによると、二〇〇三年度の相談件数は過去最高の一万九千四百九十八件で、この五年間で倍増。政令指定都市の中では大阪、横浜、札幌に次ぎ四番目に多い。だが、独自の条例を持たない福岡市の場合、国の「消費者基本法」と県の「福岡県民の消費生活の安定及び向上に関する条例」などに基づいた対応しかできないため、的確で迅速な対応が難しいという問題点を抱えてきた。
そこで新たな消費生活条例では、悪質な事業者に対しては市が独自の権限で調査し「指導に従わない場合は勧告や公表を行う」と定め、市民が市長に対して措置要求をできるようにするなど、被害拡大防止策を定める。被害に遭った場合は、弁護士など学識者や行政でつくる市消費生活審議会があっせん・調停を行い、訴訟費用の援助制度も設ける。
また、公民館や自治協議会、学校と連携して高齢者や青少年に情報提供するなど啓発活動も強めていく。
市は条例案への市民意見を十六日から一カ月間、募集する。条例案は市役所や各出先機関で配布、ホームページに掲載。
問い合わせは、市消費生活センター=092(712)2929。(西日本新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040807-00000001-nnp-l40