2004年08月07日(土) 00時00分

住基台帳紛失 管理のずさんさ露呈 （東京新聞）

　千葉市花見川区が九千九百人分もの住民基本台帳の写し一冊を紛失した問題は、個人情報の管理に対する区の甘さを浮き彫りにした。台帳を閲覧用に貸し出しても返却時のチェックを怠っていたほか、保管用のロッカーの鍵も無施錠の棚に入れているなど、プライバシー保護とは対極のずさんさだったという。区は「不適切な対応をおわびします。貸し出しや返却時の確認など個人情報の一層の徹底に努めたい」と陳謝した。

　区によると、紛失したとみられる三日は、午前九時半以降にダイレクトメール用の住所を調べるため業者ら三人が閲覧。この三人に話を聴いたところ、うち二人が紛失した台帳の写しを貸し借りしていたことが分かった。

　同区で台帳を閲覧するには、申請書と誓約書に住所、氏名などを記入するだけで、身分証明書の提示は不要。ロッカーからの出し入れも自由で、職員は確認していなかった。区によると、千葉市の中でも職員が立ち会う区もあるが、法的に決められた管理方法はないという。このロッカーの鍵の管理は、職員三人が担当。鍵は二つあり、一つは机の引き出し、もう一つは鍵のない棚にしまっていた。

　会見で山形武次区長らは、職員が持ち出した可能性について「信頼している。絶対ないと考えている」などと否定。部外者による盗難との見方を強調した。　（山田　晴子）

http://www.tokyo-np.co.jp/00/cba/20040807/lcl_____cba_____001.shtml