2004年08月04日(水) 00時00分
接種ミス報告を放置 県、2カ月間(朝日新聞・)
日本脳炎ワクチン 有効期限が切れた日本脳炎ワクチンが販売され、子どもら2人の予防接種に使われていたにもかかわらず、報告を受けた福岡県が調査しないまま2カ月間放置していたことが分かった。福岡市内の医薬品卸会社の在庫管理ミスが原因で、取材を受けた同県薬務課は3日、薬事法違反(基準外の医薬品の販売禁止)の疑いもあるとみて、卸会社への立ち入り調査を始めた。
このワクチンの有効期限は国の規定で1年。卸会社によると、有効期限を17日間過ぎた2人分のワクチンを5月25日、福岡市内の小児科医院に納めた。2日後の伝票整理で気付いて医院に連絡したが、26日にすでに使われていた。
このため卸会社は「安全上の問題は考えにくいが、副作用などの経過観察をしてほしい」と医院に依頼。子ども1人は接種後も医院を訪れているが、健康上の問題は生じていないという説明を受けているという。
また、卸会社は6月2日、ワクチン名や出荷日を個条書きにした報告書を県薬務課に提出。その際に「医院から健康被害は聞いていない」と説明した。
同課は、接種を受けた2人の身元や健康状態を確認しないまま、「健康被害はない」と判断。卸会社や医院に対し、ワクチンの管理体制や接種状況を聞き取るなどの調査もしなかった。藤野恒夫県薬務課長は「被害はないと信じて現地調査をしなかった。今後、医院にも立ち入り調査をして2人の健康状態を把握し、卸会社への処分を検討したい」としている。
県の対応について、厚生労働省監視指導・麻薬対策課は「直ちに現地調査をするべきだ。業者がうそをつく可能性は否定できないのに、報告をうのみにしたのは問題だ」と指摘している。
(8/4)
http://mytown.asahi.com/fukuoka/news02.asp?kiji=6817
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