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2004年07月31日(土) 00時00分

おれおれ詐欺 宮城の被害1億円超 前年同期の55倍河北新報

 宮城県内で今年上半期に発生したおれおれ詐欺の被害額が1億円を突破したことが31日、県警捜査2課のまとめで分かった。昨年同期に比べて50倍を超える金額で、中には1000万円以上をだまし取られる事例も起きている。

 県警によると、1—6月の発生件数は176件で、被害額は約1億600万円。昨年同期は4件、約190万円だったことから、今年は発生件数で44倍、被害額で55.8倍と、猛烈な勢いで詐欺行為がまん延していることが裏付けられた。

 現金の振込場所となる金融機関が冷静な対応を呼び掛け、被害を回避できたケースもあったが、県内では高齢者を中心に(1)交通事故示談金(2)借金の肩代わり(3)妊娠中絶費用—などを求められ、支払ってしまうケースが後を絶たない。

 6月22日には、仙台市宮城野区の主婦(47)宅に警察官を名乗る男から「だんなさんが交通事故を起こし、相手の車に乗っていた妊婦が病院で手術を受ける」と電話があり、手術代と示談金として約1300万円をだまし取られている。


◎「ご主人が妊婦の車と衝突…」/仙台北署管内、警官名乗る手口続発

 「ご主人が、妊婦の乗った車とぶつかる事故を起こした」。警察官を名乗る男の電話で示談金の振り込みを求められ、大金をだまし取られる4件の被害が7月中旬以降、仙台北署管内で相次いでいたことが31日、分かった。「妊婦」と聞けば、動揺しがちな女性の心理を突いた巧妙な手口。治療費や車の修理代など費用を細かく設定し、事故を信じ込ませていた。

 青葉区の会社役員女性(60)宅に27日午後1時ごろ、警察官の「田中」を名乗る男から電話があった。

 男は「あなたのご主人が、妊婦の乗った車に衝突した。おなかの子に障害が残るかもしれない」と不安をあおった後、「すぐに治療費や車の修理代が必要です」などと言って携帯電話番号を伝えた上、指定する銀行口座に金を振り込むよう指示した。

 女性は治療費210万円、入院費39万円、事後補償金250万円として、計499万円を振り込んだ。直後に男の携帯電話が通じなくなり、不審に思って夫に連絡したところ、だまされたことに気付いた。

 14日に被害に遭った青葉区の主婦(49)も、携帯電話で指示された都内の銀行口座に、2回に分けて520万5000円を送金。15日には、青葉区の28歳と29歳の主婦がそれぞれ200万円と300万円をだまし取られた。

 北署は4件の手口が同じであることから、同一犯の可能性が高いとみて捜査する一方、「警察官が金を要求することは絶対にない」と注意を呼び掛けている。

http://www.kahoku.co.jp/news/2004/08/20040801t13023.htm