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大阪市の第三セクター「大阪港埠頭(ふとう)ターミナル」の野菜産地偽装で、大阪府警は30日、同社や下請けの包装・加工会社「オー・エス・サービス」など5カ所を、不正競争防止法違反(虚偽表示)容疑で家宅捜索した。米国産ブロッコリーの箱に中国産を混ぜるようにターミナル社の社員がオーエス社に指示していたとされる。府警は押収した資料の分析や関係者の事情聴取を進め、偽装した野菜の種類と量、関与した人物、動機など不正の全容解明を進める。
ターミナル社をめぐってはブロッコリーに加えてカボチャもトンガ産をメキシコ産と偽っていたことが明らかになり、さらにパプリカ(別名カラーピーマン)やミカン、ゴボウでも産地を偽装したり、水増ししたりしていた疑いが出ている。
捜索を受けているのは大阪市港区のターミナル本社と近くにある同社加工場、倉庫、同市此花区の同社大阪港舞洲青果センター、それに同市港区のオーエス社。午前9時半すぎ、捜査員たちが相次いで捜索に入った。
生活経済課の調べでは、ターミナル社の青果営業課長(53)と課長代理(46)、営業主任(35)=いずれも当時=は共謀して02年3月、同社加工場内で、段ボール箱計約1500個から米国産ブロッコリー計約1万2千束を抜き取り、代わりに中国産を混ぜて出荷した疑いがもたれている。
実際の混入作業は偽装を指示されたオーエス社の作業員が行い、ブロッコリーはすべて米国産として店頭に並んだ。抜き取った米国産は「ピンク箱」と呼ばれる別の箱に詰めて出荷した。
この問題は23日に朝日新聞の報道で発覚した。同日行った記者会見などでターミナル社は、偽装を実際に指示したのは営業主任で、偽装の理由は「倉庫の管理が不十分で米国産が傷み、不足したため穴埋めするために中国産を混ぜた」などと説明していた。
その後、カボチャなど他の野菜の産地偽装も明らかになり、営業主任ら3人は生活経済課の任意の事情聴取に対して「他の野菜でも長期間にわたって偽装していた」などと供述。不正の全体像を解明するには強制捜査の必要があると生活経済課は判断した。
ターミナル社は1951年設立。資本金4億9千万円のうち大阪市が50%を出資しており、役員は市の天下りポストとなっている。
(07/30 16:50)