2004年07月29日(木) 02時23分
ポルノ撲滅 中国が本腰 ネット大国 低俗情報もはんらん(西日本新聞)
【北京28日井上裕之】インターネット人口が八千万人を超えた中国で、わいせつな映像や写真を流す“色情サイト”がはんらん、公安当局が「ネットポルノ撲滅人民戦争」と銘打ったキャンペーンを展開している。当局側もネットを利用、市民からの情報を専用サイトで受け付け、摘発を進めていく大がかりな作戦。ネット大国に成長した中国では、かつてのような情報統制が難しく、取り締まりに腐心している実態もうかがえる。
当局が二十七日までに摘発したポルノサイトは約七百。北京、上海、重慶など都市部を中心にヤミ業者が存在する実態が明るみに出た。サイトはさらに多数にのぼり、業者は電信会社と結託する形で月数十万元(一元=約十三円)以上の収益を上げるなど、荒稼ぎをしているとみられている。
新華社電によると、多くのサイトは別の合法サイトの中に隠された形で存在。利用者に携帯電話の番号を打ち込ませ、それに応じてパスワードを携帯に送信。利用者がそのパスワードを打ち込むと映像や写真をみることができ、料金は電話料に加算される仕組み。
当局は六月に違法・不良情報通報サイト、七月にはポルノ専用の通報サイトを設け、市民から情報を収集、摘発を続けてきた。農村に拠点を設けてポルノ作品を複製し、ネットを通じて各地に販売していた例や、一カ月のアクセスが数万人以上に及ぶサイトもあった。
最近では、児童ポルノや性交渉相手を募るなどエスカレートした手口も横行。日本などの海外サイトへのアクセスも多数にのぼり、内外から“ポルノ汚染”が広がっている格好。中国メディアは、青少年への悪影響や、ヤミ業者と提携した電信業者らの営利主義を批判する声などを伝え、改善を促している。
中国のネット事情
今年6月末現在、インターネット利用者は約8700万人に達し、米国に次いで世界2位。開設されたサイトは60万以上にのぼるといわれる。利用者の3割は学生で、18歳未満が1500万人と推計され、若年層の間でパソコンの急速な普及が続いている。また、携帯電話利用者は3億人にのぼり、世界トップ。携帯電話とネットを組み合わせた各種の商法が増え、都市部を中心に情報化社会が拡大している。(西日本新聞)
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