2004年07月29日(木) 22時19分
Webの人権侵害、削除要請に対する対応を明記 - 総務省らが取り組み強化(MYCOM PC WEB)
Webサイトや掲示板に、殺人事件の加害少年の氏名・顔写真などが掲載されるといった人権侵害が問題になっているとして、業界団体で作るプロバイダー責任制限法ガイドライン等検討協議会らは、プロバイダ責任制限法施行に伴うガイドラインを改訂、法務省人権擁護機関の削除要請の手続きなどを定めることを決めた。7月30日から8月30日までガイドラインの改訂に対する意見募集を行い、その意見を参考にした上で9月にもガイドラインを改訂する。人権侵害情報の削除を円滑化することが目的だ。
2002年5月に施行されたプロバイダ責任制限法(特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律)は、Webサイトや掲示板に名誉毀損、プライバシー侵害、著作権侵害などの利益が侵害される書き込みが行われた場合、プロバイダなどの運営者が削除、または削除しなかった場合の免責基準、被害者が書き込み者の情報開示を求める権利などが示されている。
所管の総務省らはこれらの環境整備による対策を行ってきたものの、昨年から今年にかけて特に少年犯罪に対する複数の人権侵害事案がWeb上で発生しており、4月から総務省、法務省人権擁護局、業界団体(電気通信事業者協会、テレコムサービス協会、日本インターネットプロバイダー協会)とともに、人権侵害情報の削除方法などについて検討を行ってきた。
その結果プロバイダ責任制限法ガイドライン等検討協議会が作成した、プロバイダなどの行動指針を定めた「名誉毀損・プライバシー関係ガイドライン」の改訂が決まり、(1)重大な人権侵害事案であり(2)被害者自身で被害の回復を図ることが困難な場合--に、法務省の各法務局や地方法務局(全50局)が、プロバイダや管理者に該当する書き込みを削除するよう要請する際の様式と、要請を受けた側の行動指針などが新たに追加された。従来、法務省側で独自に行っていた要請に、ガイドラインとして対応を決めることになる。
ガイドライン自体は、あくまで業界団体が作成したものであるため法的根拠などはないが、総務省では、これにプロバイダらが対応することで、インターネット上の人権侵害問題の改善、青少年保護の推進が図られることを期待している。
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プロバイダー責任制限法ガイドライン等検討協議会
http://www.isplaw.jp/
総務省
http://www.soumu.go.jp/
(MYCOM PC WEB)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040730-00000098-myc-sci