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大阪市の第三セクター「大阪港埠頭ターミナル」による野菜の産地偽装問題で、同社が02年7月にカボチャを偽装したとして社員を処分した際、「荷主の指示で詰め替えた」との社内文書を作っていたことがわかった。大阪府警は処分を受けたこの社員からも事情を聴いており、荷主とのかかわりや偽装目的などについてさらに詳しく調べる。荷主の青果商社は朝日新聞記者の取材に対し、偽装への関与を否定している。
関係者によると、この社員はターミナル社青果営業課の当時の課長代理。01年12月、課長代理が下請け会社に指示し、トンガ産のカボチャ約20トンをメキシコ産用の箱に詰めさせた。その後、社内で問題になり、02年7月に課長代理が厳重注意処分を受けた。
同社が偽装理由をただしたところ、「荷主の指示で詰め替えた」と述べたため、処分内容などを記した文書にその旨記載した。同社は今月23日の記者会見で、「担当者個人の判断でやった。詰め替えた理由はわからない」と説明していた。
カボチャの荷主の青果商社役員は28日、「偽装を指示したというのは初めて聞く話だ。ターミナルからの問い合わせもなかった。事実関係を早急に確認したい」と話した。
一般に輸入野菜は荷主が荷役会社に選別や保管をまかせ、納入できる状態で商品を受け取る。今回のケースでは、実際の価格との差額がどこで誰の手に入るのか、大阪府も過去の出入荷伝票などをもとに慎重に調べている。
一方、同ターミナルはカボチャ偽装の約3カ月後に米国産ブロッコリーの箱に中国産を交ぜていたが、この問題については社員が現在の内部調査に、「自分たちの判断で詰め替えた」と説明している。同社はこれまで、偽装の理由について「倉庫の温度管理のミスで米国産ブロッコリーを大量に劣化させてしまったため、中国産で穴埋めした」と説明している。
02年当時、同社は鋼材を扱う別の三セクと合併したばかりで、青果事業部門の赤字削減が、上層部からの指導として出ていた。市側は米国産の大量劣化で荷主への弁償金の支払いや取引解除を避けるため、社員が自ら詰め替えを発案した可能性が高いと見ている。(07/29 07:51)