2004年07月29日(木) 16時40分
女性への架空請求急増 県消費生活センターに相談殺到−−1日10件以上 /山梨(毎日新聞)
◇裁判取りやめ費用など要求
身に覚えのない料金の支払いを求められる「架空請求」をされた女性からの相談が県消費生活センターに殺到している。はがきに「電子消費者契約通信未納利用料請求最終通達書」などと書かれ、電話で問い合わせると「支払いを求める民事訴訟を準備している」として裁判取りやめ費用などの名目で多額の振り込みを要求される。同センターは「意味不明の内容で請求することで、問い合わせの電話を掛けるようしむけている」と注意を呼び掛けている。【鷲頭彰子】
同センターによると、架空請求の相談は有料サイトの請求や不良債権の取り立てなど一般的に男性が多く、4〜5月の女性からの相談は、2割程度だった。
しかし、6月に入り、女性から「『電子消費者未納利用料請求最終通達書』などと書かれたはがきを受け取った」という内容だけで1日10件以上の相談が寄せられ、全体の5割程度に増えた。年代は50〜60代が多かった。7月に入っても相談件数は減らず30代の女性からの相談が急増した。
はがきには、「連絡がない場合は裁判所への出頭となる。裁判後は給与差し押さえなど強制執行される」と脅迫めいた内容と「裁判取り下げ最終期日」が記され、その期日までに連絡するよう要求。また、「お客様コード番号」も書かれ、電話をすると、通信販売やケーブルテレビの受信料の未納があるなどと言われ、裁判取りやめや告訴データ削除料などを請求される。
社名は違っても文章や内容はほとん同じで、「お客様コード番号」も全く同じはがきもあった。請求文書のひな型が出回っているか、同じグループの作成とみられる。
30代の女性の場合、旧姓で実家に届くことも多く、同センターは「通信販売や懸賞の応募などの古い名簿が業者に渡ったのではないか」と分析。「たとえ通信販売を利用していて未納があったとしても、即裁判になることはない。このようなはがきが届いても無視するか、センターに連絡してほしい」と話している。
県警によると、7月2日に甲府市の女性会社員(35)が288万円、同20日には韮崎市の主婦(36)が203万円をだまし取られ、詐欺の疑いで調べている。
7月29日朝刊 (毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040729-00000112-mailo-l19