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2004年07月28日(水) 00時45分

雪印食品の元専務ら、無罪が確定 牛肉偽装で控訴断念朝日新聞

 国の牛海綿状脳症(BSE)対策事業を悪用し、制度対象外の輸入牛肉を国産牛肉と偽装して約1億9600万円をだまし取ったとして詐欺罪に問われ、神戸地裁で無罪判決を受けた雪印食品(02年解散)の元専務、桜田弘巳(63)と元常務、井上正躬(62)の両被告について、神戸地検は控訴期限の27日、「控訴審で原判決を覆すのは困難」として、控訴を断念した。これにより2人の無罪が確定した。

 検察側は、偽装工作の実行役だった同社の元ミート営業調達部長ら当時の部下5人=詐欺罪で有罪確定=と共謀したとして、桜田元専務に懲役3年、井上元常務に同2年6カ月を求刑した。

 神戸地裁は13日の一審判決で、共謀を認めた元部下らの供述について「不合理な変遷や矛盾がある」などとして信用性を否定し、無罪判決を言い渡していた。

 検察側は、当初控訴する方針だったが、判決内容を詳細に検討した結果、元部下との共謀を補強する新たな証拠を提出できる見込みがなく、控訴審で有罪判決を得るのは難しいと判断した。

 岩永建保・次席検事は「判決の個々の証拠の評価や証拠構造についての裁判所の理解は納得いかないが、新たな証拠が出てくる見通しがなく、控訴を断念した」と話した。その一方で「捜査は適正だった」と強調した。

 控訴断念を受けて、2人は主任弁護人の小越芳保弁護士を通してコメントを発表。桜田元専務は「真実が究明され、大変うれしく思う」とし、井上元常務は「何もいうことはありません」とした。小越弁護士は「非常に丁寧な判決で、控訴しようがないと予想していた」と話した。

(07/28 00:44)

http://www.asahi.com/national/update/0728/002.html