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2004年07月28日(水) 00時00分

進まぬ学校IT化 LAN整備率 公立4割以下 東京新聞

 公立小中高校の構内情報通信網(LAN)の整備率が昨年度末で全体の四割以下にとどまっていることが二十七日、文部科学省の調査で分かった。情報技術(IT)国家の実現を目指す政府の「e−Japan」戦略では、来年度までの整備率100%が目標だが、自治体の財政難を背景に達成は難しくなっている。

 同戦略では、人材育成や学習の振興が重点政策で、四年前から公立学校へのインターネット接続やソフトウエア経費などとして、毎年約千八百億−二千億円の地方交付税を配分してきた。

 調査によると、インターネット接続率はほぼ100%で高速回線への接続も71・6%まで増えたが、普通教室へのLAN整備率は全体で37・2%。高校では61・2%とやや進んでいるが、中学校で32・0%、小学校では31・1%だった。教育用コンピューターの平均設置台数は四十台で、児童生徒八・八人に一台の割合。五・四人に一台という目標に達していない。

 同省によると、東京や神奈川、大阪など大都市圏で整備の遅れが目立つ。

 また、財政難を背景にITへの取り組み姿勢によって自治体間の格差が広がっている。

■授業でパソコン使える教員6割

 今回の文部科学省の調査では、コンピューターを使って授業ができる教員は前年度より7・5ポイント増えたが、まだ60・3%にとどまっていることも判明。通信網を整備しても使いこなせない側面が浮き彫りになった。

 同省によると、コンピューターを使って授業ができる教員は小学校では約73%だが、高校では約46%と半分以下。

 同省は「学年が上がるほど、教員は進路や生活指導に追われて忙しく、研修に参加できないのでは」と推測している。

 コンピューターを使いこなせる高校教員が九割に達した沖縄県は、来年度までの四年間で全教員にIT研修を受けるよう求めるなど、自治体で熱意の差も目立つ。

 「使いこなせる」教員が全体の約36%の東京都は、昨年度から「IT教育普及支援校」制度を開始。本年度は都立高十五校の情報担当教員が、近隣の高校などで「出前研修」を実施。ソフトウエアの活用など具体的な技術指導に乗り出している。

 一方、長崎県佐世保市の小六女児殺害事件などを受け、政府のIT戦略本部は六月半ばに策定した「e−Japan重点計画2004」で、新たにインターネットなど情報モラルやルール指導の必要性を明記。同省も近く、教員採用試験にITに関する問題を盛り込むよう、都道府県教委などに通知する。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20040728/mng_____sya_____006.shtml