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環境省は26日、透明なプラスチック容器などに使われる化学物質「ビスフェノールA」に、魚類をメス化する内分泌撹乱(かくらん)物質(環境ホルモン)作用があることが動物実験で確認されたと発表した。同作用が明らかになった化学物質は、ノニルフェノール、4−オクチルフェノールに次いで3種類目。同省は人への影響は認められないとしている。
水槽のメダカを用いた実験で、河川の平均的なビスフェノールAの濃度の4000倍以上に相当する1リットル中1179マイクログラム(マイクロは100万分の1)で、2割のオスの精巣に卵細胞ができた。
一方、人への影響を調べるためのラットを用いた実験では、人が通常飲み水などから1日に吸収する量の4倍強(体重1キロあたり50マイクログラム)を与えても、特異なメス化などの症状は見られなかったという。
ビスフェノールAの国内使用量は年間約50万トン。ポリカーボネート樹脂に含まれ、透明なプラスチック容器に広く使われているという。環境ホルモン作用が疑われるとして98年ごろ社会問題化し、哺乳(ほにゅう)瓶や学校給食容器の使用中止が相次いだ。
同省は「直ちに使用禁止するレベルではないが、生態系への影響などを考えれば、使用や製造の自粛を業界団体に求めたい」としている。
魚類に対する同作用は、工業用洗剤の原料などに用いられるノニルフェノール、4−オクチルフェノールの2種類で確認されている。(07/27 10:57)