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2004年07月24日(土) 00時00分

白船グランドホテル 入浴剤使用を「自供」朝日新聞・

  県を代表する観光地、南安曇郡安曇村の白骨温泉で、「絶対に入浴剤は使っていない」と断言していた旅館が実は5年間も使用していることが県の調査で暴かれた23日、関係者の重苦しい記者会見が続いた。

 「信州を愛される方々に申し訳なく、深刻な事態と思っております」。

  田中康夫知事は23日、県庁で緊急記者会見を開き、相次ぐ老舗ホテルの不祥事に、落胆の表情をにじませた。

  「実は白船グランドホテルでも入浴剤を使っている」。この数日、こんな証言がメールで複数、県に寄せられた。

  田中知事は「疑いがあれば、知事自らが確かめるのが職務」と急きょ、抜き打ちの調査を決め、22日午後、ホテルへ出向いた。

  斉藤ゆづる若女将(43)はあわてふためき、外出中の邦男社長(82)に携帯電話をかけた。知事に同行した県職員がホテルのボイラー室付近の納戸を調べようとしたところ、従業員が「カギがない。中にはカラオケ機器だけ」などと答えた。午後7時ごろになって、従業員が納戸から入浴剤を持ち出そうとしていたところを偶然、県職員が見つけたという。

  ホテル側は「これは昨年11月にテレビCMを撮影した際、湯をもう少し白濁できないかと聞かれ、入浴剤を入れた。そのときだけ」と説明。しかし、田中知事は会見で、「今年4月に製造されたものもある」と暴露。23日午後、ホテル側は社長と若女将が緊急の記者会見を開き、「実は5年前から使っていた」と一転して、「全面自供」した。
  ホテルによれば、99年12月から問題が発覚する今月10日まで継続的に入浴剤を使用していた。週刊誌で問題が発覚したときに家族会議を開き、入浴剤の使用は公表しないと決め、組合や県の調査には「使用は一切ない」と虚偽の回答を続けていた。

  99年12月、現在の大浴場が完成した際、湯があまり濁らず、薬局で市販の入浴剤を買い、試してみると白く濁ったため、使用を始めたという。大浴場の内湯と露天の4カ所で、従業員や若女将が手作業で入れていた。機械を使った時期もあった。

  02年、大浴場の使用はやめたが、家族風呂では問題発覚の今月10日まで使っていた。

  ゆづるさんは「乳白色の湯にお入れしなければという思いで使用を続けていた。とても怖くて言えなかった」と涙声で話した。
(7/24)

http://mytown.asahi.com/nagano/news02.asp?kiji=4511