2004年07月24日(土) 14時37分
カードで買わせて買いたたく、多重債務者に新手のワナ(読売新聞)
貸金業者に融資を申し込んだ多重債務者らが、業者の勧めに従ってクレジットカードで数十万円のパソコンなどを購入させられたあげく、2—3割の値段で買いたたかれる被害が急増していることが分かった。
東京都は、「詐欺的な行為」として都内の貸金業者8社の登録を取り消すとともに、警視庁に通報した。
都への苦情相談は8社分だけで164件、被害額は数千万円規模に上っている。しかし都は実際の被害ははるかに多いと見て、事態を重視し、警視庁に情報を提供することにした。
都貸金業対策課によると、業者は都内にあるが、被害者は他県にも及んでいる。
港区の業者に400万円の融資を申し込んだ佐賀県の男性(35)は「カードで買い物ができるかどうかで、あなたの信用度を判断したい」と説明され、30万円のパソコンを購入し、商品を業者の事務所に送った。その後、パソコン代金として11万円が振り込まれたが、融資は実行されなかった。
他の事例も手口は同様で、千代田区の業者に30万円の融資を申し込んだ都内の男性(43)は、まず銀座に呼び出され、やはり信用調査のためと言われて29万円の高級腕時計をカードで購入。その場で時計と引き換えに9万円を渡されたが、融資は受けられなかった。
同課によると、この手口で毎月3000万円の“売り上げ目標”を掲げていた業者もあった。業者は「融資の約束はしていない。純粋な商取引だ」と釈明しているというが、同課では「最初から安値で買い取って転売することが目的で、極めて悪質」としている。(読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040724-00000206-yom-soci