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2004年07月23日(金) 15時29分

米国産ブロッコリーに中国産混入 大阪市3セク偽装指示産経新聞

韓国ミカンを有田産…疑惑次々
 大阪市が資本金の約50%を出資する第三セクターの荷役会社「大阪港埠頭ターミナル」が平成十四年、下請け業者に指示して、米国産のブロッコリーに安価で商品価値が落ちる中国産を混入させ、米国産として約二十六トンを出荷していたことが二十三日、明らかになった。同社の廣部公一社長らが記者会見し、事実関係を認めた。また、輸入カボチャでも産地偽装があったことを認めたほか、韓国産ミカンを和歌山・有田産の箱に詰めて出荷された疑いも浮上するなど、農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法(JAS法)違反にあたる可能性もあるという。
 大阪府流通対策室は同日午後、事実関係の確認のため、同社を任意で立ち入り調査する。
 ブロッコリーの混入が行われたのは十四年二−三月で、当時は雪印食品の牛肉偽装が発覚するなど、「食」の信頼を揺るがす事件などが相次いでいた。そうした中で偽装に手を染めていた同社の消費者への責任意識が欠如していた体質が厳しく問われそうだ。
 同社の説明では、輸入した米国産と中国産のブロッコリーを二つの倉庫に分けて低温保存していたが、このうち一つの温度が低温に下がらず、二−三日後に商品の劣化が判明した。
 このため同社は、下請けの加工請負業者「オーエスサービス」(大阪市)に、劣化したものをすべて取り除くよう指示。しかし、米国産のものが不足したため、正常な温度管理が行われていたもう一つの倉庫に保管していた米国産の商品に中国産を混入するよう指示したという。混入されたのは計二十六トンにのぼり、すべて米国産として出荷されていた。
 同社によると、偽装を把握していたのは、直接の担当となる営業主任と、上司となる課長代理、課長、部長の計四人。商品劣化について相談をもちかけた営業主任に、上司が承諾する形で混入が行われたという。
 当時、中国産野菜の農薬残留問題がクローズアップされていた時期で、中国産ブロッコリーの出荷はほとんど止まった状態だったという。
 同社は「倉庫管理が不十分で商品が傷み、米国産が不足したので中国産を混入した。信用失墜に直結するため、荷主に言い出せなかった」としている。
 また、この日の会見で、同じ平成十四年に、トンガ産のカボチャ計二十トンを担当者の独断でメキシコ産の箱に入れて偽装して出荷し、担当者を厳重注意の懲戒処分にしていたことも認めた。カボチャ偽装の懲戒処分は公表していなかった。
 さらに、下請け業者の関係者が十二年ごろに、韓国産のミカンを和歌山・有田産の箱に詰めて出荷したと証言していることを明らかにし、現在調査を進めていることも認めた。
 今春に匿名での投書を二度受けて調査を開始し、今月二十日に事実関係をつかんだという。
 廣部社長らは「消費者や取引先におわびしたい」と謝罪したが、「担当の部長らが判断したこと。私どもは知らされていなかった」と釈明し、会社ぐるみの“偽装工作”を否定した。
 ■関淳一・大阪市長の話 「消費者の信頼を裏切る行為であり、市民の皆様にご心配をおかけしたことをおわび申し上げる。会社を監理する立場として、筆頭株主として厳正に調査し、事実関係を明らかにするとともに、再発防止に努め、早急に消費者の信頼回復を図りたい」(産経新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040723-00000024-san-soci