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2004年07月23日(金) 15時03分

<大阪市三セク>中国産混ぜたブロッコリー、米国産と偽る毎日新聞

 大阪市の第三セクター「大阪港埠頭ターミナル」が下請け会社「オー・エス・サービス」に指示し、米国産のブロッコリーに中国産を混ぜたうえ、米国産と偽って出荷させていたことが23日分かった。偽装したのは02年2〜3月の約1週間で計約1440箱(26トン)。中国産を約2割混ぜていた同ターミナルは「米国産が劣化して少なくなったため、中国産を混ぜた。荷主の信頼を損なうのを避けたかった」と説明しているが、トンガ産のカボチャをメキシコ産の箱に入れていたことも判明。ほかにも韓国産ミカンを有田産の箱に入れて出荷した疑いもある。大阪府流通対策室も23日午後、同ターミナルなどから事情を聴く。

 同ターミナルの広部公一社長は午前9時から会見し、「消費者の食の安全に対する信頼を失う行為で、深くおわび申し上げます」と謝罪した。谷間育宏常務によると、輸入された米国産と中国産のブロッコリーを2カ所の低温倉庫で保管していたが、片方の倉庫の室温が施設の老朽化のため下がらず、ブロッコリーが傷んだ。それを捨てていくうち、米国産が少なくなり、当時の営業主任が課長補佐と課長に相談。課長が中国産を混ぜて出荷することを決め、オ社に指示したという。

 荷主の輸入商社に対する傷んだブロッコリーの弁償費は約3000万円と膨大になる。荷主からの信用失墜を恐れ、ブロッコリーの傷みを隠したかったとみられる。

 偽装については上司の青果事業部長も了解していたといい、同ターミナルは今年3月に定年退職した青果事業部長を除き、ほかの3人について懲戒処分を念頭に厳正に処分する。荷主にも経緯を説明する。

 同ターミナルでは02年7月に、別の担当者がトンガ産のカボチャをメキシコ産の箱に入れていたことが分かり、懲戒処分にした上で、弁護士などで構成する「コンプライアンス委員会」を設けた。しかしブロッコリーについては把握できず、今年3、4月の2回、ターミナル社に匿名の投書があって発覚した。

【中川博史、猪飼順】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040723-00001070-mai-soci