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総務省の電波有効利用政策研究会は22日、携帯電話などにかかる電波利用料制度を抜本的に見直す最終報告案を発表した。電波利用料を賦課する範囲を広げて、情報家電なども対象とするほか、携帯電話にも使用する周波数によっては「使用料」も課す内容。総務省は新制度導入で電波利用料は年100億円程度増えると試算、情報格差是正などIT(情報技術)政策推進に活用する方針だ。
報告案では、携帯電話では携帯電話会社が支払い、ユーザーに転嫁している現行手数料に加え、新たに電波の込み具合に応じて金額が決まる「使用料」の徴収を打ち出した。総務省は、事業者・ユーザーの負担が大幅に増えないよう、手数料も同時に見直すなどの工夫をする、としている。
また、無線免許が不要な「免許不要局」も新たに電波利用料を課す対象に加え、情報家電などからも徴収する方針を示す一方で、誰を直接の負担者とするか、報告案は明記していない。自動車業界などが反発している高速道の自動料金収受システム(ETC)や無線LANを徴収対象に加える案については、賛否両論を併記した。
同研究会は9月下旬に最終報告をまとめる予定。それまでに、ETCなど残された課題を詰め、総務省が電波法改正案を05年通常国会に提出する。
電波利用料の使途については、(1)電波を有効利用する技術の開発(2)携帯電話が使えない地域に電波中継塔を建設する補助金を追加。これにより利用できる周波数帯の幅を10年間で倍増させ、電波中継塔も4〜5年間で500本(04年度は53本)新設するとしている。
電波利用料制度の見直しは93年度の導入以来初めて。携帯電話の急増で特定の周波数帯が逼迫(ひっぱく)し、今後成長が見込まれる情報家電などにうまく割り当てられなくなる恐れが生じているため。総務省は7月から、効率的に利用していない事業者の電波を返上させる制度を導入しており、新たな電波利用料制度と併せて電波の有効利用を進める考えだ。
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〈電波利用料〉 無線免許を持つ電波利用事業者が国に支払う料金で、現行制度は、無線局1局当たり年540円を支払っている。携帯電話機も1台が1無線局と見なされる。03年度の利用料収入は543億円で、国は電波の不正利用監視などに使っている。(07/23 00:42)