2004年07月22日(木) 03時02分
DDIポケットPHS 一般サイト見られて人気(産経新聞)
パソコン向けの一般サイトを閲覧できるDDIポケットのPHS(簡易型携帯電話)サービスが注目を集めている。端末の供給量が少ないこともあり入手が難しい状況が続くほどの人気だ。簡易型のウェブサイトが主流の携帯事業者にとっても脅威となりうるため、対応が注目される。(谷口正晃)
京セラ製のPHS端末「AH−K3001V」は、ノルウェーのオペラ・ソフトウエア社のインターネット閲覧ソフト「オペラ」を日本で初めて携帯端末に搭載。携帯電話に比べて許容量の大きな通信網をもつPHSの特性を生かし、通信パソコンと同じ体裁のウェブサイトを月額約四千二百円(割引利用)の定額で利用できる。使い方はパソコンと同じで、アドレスを入れればホームページにつながり、キーワード検索もできる。
簡易サイトに対して、一般サイトは情報量が圧倒的に多い。例えば、ヤフーのモバイル検索サイトで「DDI」を検索すると六十四件だが、一般サイトでは二百三十一件がヒットする。ページ数も一般サイトは簡易サイトの数十倍だ。また、簡易サイトでは有料の情報も一般サイトでは無料となることが多く、利用者メリットは多い。
六月時点で携帯が前月比三十八万台増の八千二百七十一万台と鈍化しつつも成長を続けるのに対し、PHS市場は四万八千台減の五百二万台。だが、オペラ搭載端末は五月十四日の発売以来、五万六千台を販売。供給が追いつかず、人気の銀色は「入荷が確定できないので予約は受けていない」(大手量販店)という状況で、数カ月待ちの店もあるという。
「PHSの買い替えが六−七割だが、携帯電話からの乗り換えも三−四割。また、二台目としての利用も増えている」(DDIポケットの喜久川政樹取締役)という。
飽和状態で成長の種を模索している携帯電話事業者にも「オペラ」搭載端末のヒットは気になるところだ。NTTドコモの中村維夫社長は「時期は未定だが、これからのやり方だと思う。ビジネス分野で実現してみようかと考えている」と前向き姿勢を示す。しかし、KDDIの小野寺正社長は「研究は進めている。特定機種に搭載する可能性はあるかもしれない」と慎重だ。
無料サイトをベースとするオペラ端末は、携帯事業者の成長の源泉となっているiモードのような有料サイトをベースとするビジネスモデルを破壊しかねない。また、情報量の大きさから、現在の携帯電話システムで対応するのは難しいという技術的問題もある。
利用者メリットが高く、ニーズもある「携帯端末+一般サイト+定額制」のこの新サービス、当面はPHSの独壇場が続きそうだ。(産経新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040722-00000018-san-bus_all