2004年07月21日(水) 15時02分
<秘書検定>団体受験制度を悪用 料理店を通じ問題入手(毎日新聞)
「秘書技能検定2級」の試験を巡り、資格取得予備校「エヌ・イー・エス・クイック教育システムズ」(東京都新宿区)が本番の問題に酷似した模擬試験を実施していた問題で、同校が、関連のタイ料理店を通じて試験問題を事前に入手していたことが分かった。同検定は、企業や大学などが社員や学生に集団で受験させる場合、事前に試験問題が送付されるシステムになっているが、同校の場合、タイ料理店の関係者が受験するとして、同料理店名で団体受験を申請。事前入手した試験問題を、同校が模試の作成や学生への解説に利用していたとみられる。
複数の関係者によると、団体受験を申請していたのは、同校と同じ社長が経営するタイ料理店「マイアジア」(千代田区)。同検定を実施する文部科学省所管の財団法人・実務技能検定協会(新宿区)に「試験実施委託団体」として認められ、本番の約10日前に試験問題を宅配便で受け取った。
同協会によると、タイ料理店からの団体受験の申請は少なくとも今年2月と6月の計2回あり、申請用紙にある「試験運営責任者」の欄には、同校の取締役や講師の男性の名前が書かれていた。同校は少なくとも、この2回の検定試験に関し、同料理店ルートで試験問題を入手し、模試の作成などに利用していたらしい。
一方、同料理店で実際に同検定2級を受験したのは、2月が9人、6月はわずか1人しかいなかった。団体受験は本来、原則的には20人以上の受験生が対象だが、試験監督の委託料を同協会から受け取らないことを条件にすれば、例外的に受験者が1人の場合でも認められ、書類の審査もほとんどないという。
同協会は「予備校とタイ料理店のつながりについては一切知らなかった。団体受験の制度が悪用されたとすれば問題であり、制度の改善も考えたい」と話している。
【鵜塚健、立上修】(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040721-00001061-mai-soci