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2004年07月20日(火) 00時00分

国内メーカー パソコン復調 東京新聞

 八月に開催されるアテネ五輪を目前に、テレビ視聴ができるAV(音響・映像)機能を強化したパソコンが人気を集めている。日本の大手メーカーは独自技術をつぎ込んだ高性能機種を相次いで投入。価格は高い機種で約五十万円と割高だが、その性能を売りに、安値競争を仕掛ける海外勢との差別化が実を結びつつある。“五輪特需”をバネに、パソコン復調の兆しが見えてきた。 (栗原淳)

 ソニーは五月、パソコン「VAIO」シリーズを一新した。テレビ並みの高画質を実現するため、社内でパソコンとディスプレーの両開発部隊が画像処理用電子回路を初めて共同開発した。五十万円近い最上位機種も販売好調という。

 販売時点情報管理(POS)データを集計する調査会社「GfK Japan」によると、三年前、テレビチューナー内蔵型の販売台数は全体の一割にすぎなかったが、今年は五割まで伸びた。政府の統計を見ると、生産単価は今年三月が十三万二千円、四月が十三万六千円、五月は十四万七千円と連続で上昇した。

 調査会社ガートナージャパンの蒔田佳苗・主席アナリストは「DVDを使った映像編集など、売れ筋商品でAV機能が充実し、今年前半から単価が上昇している。液晶画面の大型化で部材コストが上がったことも影響している」と分析する。

 国内各社のパソコン事業は、単価下落の影響で収益が悪化。東芝の事業部門は昨年度は赤字だった。各社は「いたずらに数を求めず、高付加価値商品で利益を確保する」(出井伸之ソニー会長)とシェア争いからの転換を明確に図っている。

 生産工程の見直しも収益改善に効果を上げている。高額機種を山形県米沢市の工場で組み立てるNECは二〇〇〇年以降、部品調達から販売までを一括管理しコスト削減と在庫圧縮を徹底、生産効率を六倍に上げた。

 片山徹NEC執行役員常務は「生産革新で人件費など固定費を四割削減できた。優れた製造ノウハウは国外に出さない」と強調する。高機能も横並びになれば特色を示しにくい。NECは「新しい機能を追加し、高まる消費者ニーズに応える必要がある」と意欲的だ。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/kei/20040720/mng_____kei_____001.shtml