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2004年07月20日(火) 15時52分

患者の個人情報記載文書、そのまま廃棄 胎児遺棄の病院朝日新聞

 人工妊娠中絶手術で出た胎児などを一般ごみとして捨てていた横浜市中区の産婦人科「伊勢佐木クリニック」が、HIV(エイズウイルス)検査の結果など患者の個人情報が記載された検査報告書や診査票をそのままごみ袋に入れて捨てていたことがわかった。ごみ袋は翌朝に回収されるため、繁華街の路上脇に一晩中置かれたままになっており、個人情報が漏れる危険もある。厚生労働省は「不適切だ」としている。

 関係者によると、伊勢佐木クリニックが、シュレッダーにかけるなどせずに、そのまま捨てていたのはHIV検査や、淋病(りんびょう)などの細菌学検査、血液検査、生化学検査の報告書。片仮名書きの氏名と性別、年齢、受付日、感染の有無を示す判定結果、検査数値などが記載されているという。

 また、横浜市が実施している子宮がんや乳がん、大腸がんの検診票、40歳から64歳を対象にした基本健康診査票も、氏名や住所が記されているものが出されていた。

 同クリニックは、月曜から土曜日まで、診察が終了した午後8時ごろ、45リットルのごみ袋1〜3個をクリニック前に出している。クリニックの原田慶堂院長は「検査結果などをそのまま捨ててはいけないことはわかっている。シュレッダーにかけてから捨てている」と否定しているが、個人情報を記した用紙は、毎日のように捨てられていたという。事業系一般ごみの収集業者が回収するのが翌日早朝。それまでは歩道脇のスペースに置かれている。

 来年4月に全面施行される個人情報保護法では、5000人を上回る診療録を保管している医療機関は、この法律が適用される。伊勢佐木クリニックも含まれる。同法では、個人データの漏洩(ろうえい)防止などのために適切な措置を講じなければならないとしている。(07/20 15:52)

http://www.asahi.com/national/update/0720/022.html