2004年07月17日(土) 14時41分
内職商法に新たなわな 違法でも残る借金 仙台(河北新報)
内職商法業者が、契約料を一括で払えない契約相手に消費者金融から金を借りさせ、契約に結び付けるケースが仙台市で増えている。違法な内職商法の摘発が相次ぎ、信販会社が業者と加盟店契約を結ばなくなり、ローンが利用できなくなったためだ。消費者金融を使うと金利が高い上、違法商法と分かっても支払い停止を求めることができないため、市消費生活センターは注意を呼び掛けている。
<「元取れる」と説明>
「あなたはクレジット会社の審査に通りませんでした。代わりに消費者金融を紹介します」。宮城野区の無職男性(38)は2月、東京の内職業者から、こう持ち掛けられた。業者とは、自宅でホームページ(HP)を作って報酬を得る契約を結んでいた。
契約料はパソコンとHP作成ソフトの代金の計49万8000円。一括払いできなかったので提案を受け入れ、消費者金融から全額借りて支払った。年利は出資法の上限金利(29.2%)近く。業者から「月4、5万円の副収入になり元は取れる」と説明を受けていた。
男性は高額な契約料を前払いすることに疑問を感じ、契約8日後、市消費生活センターに相談。助言を受けてクーリングオフで契約を解除し、難を逃れた。
<03年度までに39件>
センターには、契約料を消費者金融に借りさせられたとの相談が1999—2003年度に計39件寄せられた。内職商法の規制を強めた特定商取引法が施行された01年以降、増加傾向にある。
センターによると、信販会社は違法な内職業者が摘発される度に「違法業者と見抜けず安易に加盟店契約を結び、犯罪を助長した」と批判されるのを嫌い、業者と距離を置き始めた。
<支払い請求できず>
信販会社の撤退は皮肉なことに、消費者保護の面では一部デメリットがある。信販会社の分割払いの利用なら、商法が違法と判明すれば割賦販売法に基づき支払いの停止を求めることができるが、消費者金融だと業者との間に契約がなく、支払い請求できないリスクを負う。
センターは「悪質業者の口車に乗らないことが第一だが、契約してしまったらクーリングオフして業者に契約料を払い戻させ、消費者金融への金利の支払いを最小限に食い止めることが大事だ」とアドバイスしている。
(河北新報)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040717-00000011-khk-toh