2004年07月17日(土) 01時18分
NHK番組でプライバシー侵害、訂正放送判決見直しへ(読売新聞)
NHKが中高年夫婦の離婚をテーマに放映した番組でプライバシーを侵害されたなどとして、埼玉県坂戸市の女性がNHKに訂正放送や慰謝料支払いを求めた訴訟で、最高裁第1小法廷(才口千晴裁判長)は16日、双方の主張を聞く口頭弁論を10月14日に開くことを決めた。
書面審理が中心の最高裁が弁論を開くことで、放送法で定められた訂正放送を、民放を含め初めて命じた2審判決が、見直されることになった。
放送法は、放送事業者が当事者の請求を受けて調査し、放送内容が真実ではないと判明した場合、訂正放送を義務づけている。この訂正放送を、裁判所が命じられるかが争点になっている。2審判決のうち130万円の慰謝料支払い命令については同日、確定した。
問題となったのは、NHKが1996年6月、総合テレビの「生活ほっとモーニング」で放送した特集「妻からの離縁状・突然の別れに戸惑う夫たち」。番組には、女性の前夫らが素顔で出演し、女性との離婚のことが取り上げられた。
東京地裁は請求を棄却したが、東京高裁は、NHKが女性に取材しなかったことや、番組後に女性が友人らから人格を非難されるなど影響が出たことを指摘、名誉棄損とプライバシー侵害を認めた。その上で、「放送で権利を侵害された人が、放送事業者に訂正を要求しても応じない場合は、裁判で訂正放送の実現を求められる」と訂正放送を命じた。これに対し、NHKが上告していた。(読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040716-00000215-yom-soci