2004年07月14日(水) 02時56分
公取委、米マイクロソフトに排除勧告 特許訴訟の制限違法(産経新聞)
米マイクロソフト社が、自社の基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」を使用許諾する際、特許侵害を理由とする訴訟を提起しないことを誓約する「特許非係争(NAP)条項」を含む契約を結ばせたとして、公正取引委員会は十三日、独占禁止法違反(不公正な取引方法)で排除勧告した。米マイクロソフト社のNAP条項について、独禁当局が違法と判断したのは世界初。
二月の立ち入り検査先は同社の日本法人(東京都渋谷区)だったが、契約の当事者が米本社と分かり、勧告の対象となった。米マイクロソフト社側は、勧告を応諾せず、裁判の一審に当たる審判で争う見通しだ。
公取委によると、米マイクロソフト社は、国内の複数のパソコンメーカーにウィンドウズの搭載を許可する際、ウィンドウズの中に自社の特許を侵害する技術があるとの疑いを持った場合にも、訴訟を提起しないことなどを誓約するNAP条項を含む契約を結ばせ、メーカー側の事業活動を不当に拘束する条件をつけて取引した。公取委は「パソコンメーカーが開発した画像圧縮などの技術がウィンドウズに取り込まれてもメーカー側は損害賠償や使用料請求といった対抗手段を取るのが困難になった」と勧告の背景を説明している。
米マイクロソフト社は今年二月、八月以降の新たな契約ではNAP条項を削除することを表明しているが、過去の一部の契約では条項の効力が実質的に残るため、勧告では、一切の条項を破棄するよう求めている。
米マイクロソフト社の代理人は「相互の特許を認める新たな契約方法も用意していたが、主張が認められず残念」と話している。(産経新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040714-00000003-san-bus_all