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三菱自動車製大型車の欠陥隠し問題で、同社から商用車部門を引き継いだ三菱ふそうトラック・バスのビルフリート・ポート社長が14日記者会見し、02年に山口県で死亡事故を引き起こした「クラッチハウジング」の欠陥によって同部品が「破断」する事故が新たに7件あったことを明らかにした。
9日に発覚した部長級社員=懲戒解雇=による2件の隠蔽(いんぺい)を含めて、すべてリコール届け出後の5月以降に発生。同社は「公表が遅れたもので隠蔽ではない」としているが、公表は発生から最大1カ月半も経過しており、重大事故に対する認識の甘さが改めて浮き彫りになった。
同社は7件のうち2件については静岡県と埼玉県でおきたことを公表したが、残る5件は「販売会社からの電話やファクスによる情報で、確認がとれていない」として詳細を明らかにしなかった。
静岡の事故は5月29日、国道1号バイパスを走行中のダンプカーが走行不能となった。クラッチハウジングが破断し、エンジンの動力を後輪に伝えるプロペラシャフトが脱落してマフラーを壊していた。
埼玉の事故は6月24日、さいたま市の大宮バイパスで同じくクラッチハウジングが破断し、プロペラシャフトの部品が脱落した。残る5件もすべてクラッチハウジングが破断した。いずれの事故も山口の死亡事故と同様に、ブレーキ故障や火災などの重大事故につながる恐れがあった。
三菱ふそうによると、クラッチハウジングの欠陥では92年以降、死亡事故を含む人身事故3件、物損事故13件、火災2件が起きている。
静岡、埼玉の事故はいずれも6月末までに地元の販売会社から三菱ふそうに報告されていた。しかし、この報告が社内調査責任者の塩沢秀幸・品質技術本部長に届いたのは今月7日。実際に塩沢本部長が報告書類に目を通したのはその3日後で、公表はさらに週1回の定例会見のある14日までずれ込んだ。
ポート社長は、公表が遅れたことについて「内容を十分確認したうえで情報提供するため」などと釈明した。
また、同社長は昨年9月以降の事故情報はないとしていたが、今春以降多発していたことが相次いで発覚したことから「再度調査する」との意向を示した。
(07/14 22:02)