2004年07月14日(水) 15時09分
<検察審査会>審査員経験者 9割が「やってよかった」(毎日新聞)
くじで無作為に選ばれた国民が検察の不起訴処分の妥当性を判断する「検察審査会」を経験した人の9割以上は、「審査員をやってよかった」と肯定的に受け止めていることが、東京の審査会のアンケートで明らかになった。選ばれた直後は60%以上が「迷惑」などと消極的だったが、任期終了後は意識が大きく変化していた。国民に刑事裁判への参加を義務付ける「裁判員制度」では国民の関心の低さが懸念されるが、審査会のアンケート結果は裁判員制度の参考になりそうだ。【渡辺暖】
アンケートは東京第一、第二、八王子の3検察審査会事務局が02年2月〜今年4月に審査員や、欠員の際に会議に参加する補充員を務めた人を対象に実施し、計105人が回答した。
「審査員・補充員に選ばれたとき、どう感じたか」の問いに、「あまり気乗りがしなかった」が50.5%、「迷惑に感じた」が10.5%と、6割が否定的な印象で、「積極的にやってみたい」は29.5%だった。しかし、半年間の任期後、「現在どう感じているか」には、「非常に良かった」が52.4%、「良かった」が42.9%で、計95.3%が肯定的な回答をした。「迷惑だった」と回答した人はいなかった。
東京第一、第二は週1回、八王子は2週間に1回、審査会議を開いている。「審査会議に出席することで、職務上など何か支障があったか」の問いに、「あった」が20.0%、「支障がなかった」が25.7%で、「何とかやりくりがついた」は54.3%だった。審査内容は「難しかった」が39.1%、「どうにかできた」が53.3%、「思ったよりやさしかった」が7.6%だった。
【検察審査会】選挙人名簿の中からくじで選ばれた11人が審査員となり、被害者や告訴・告発人の申し立てに基づいて、検察官の不起訴処分の是非を判断する機関。全国に201ある。任期は半年間。議決には(1)不起訴相当(2)不起訴不当(3)起訴相当——がある。不起訴不当と起訴相当の議決が出た場合、検察官は再捜査しなければならない。これまで補充員も含めて約49万人が務めた。(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040714-00001062-mai-soci