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2004年07月13日(火) 12時55分

ネズミ講組織への法人税課税は合理的…最高裁判決読売新聞

 熊本市を本拠にしたネズミ講組織「天下一家の会・第一相互経済研究所」(第一相研)の故内村健一元会長の破産管財人が、第一相研への法人税などの課税は違法として、国と熊本県、同市に、納めた税金の返還を求めた訴訟の上告審判決が13日、最高裁第3小法廷であった。

 同小法廷は計約19億8000万円の返還を命じた2審判決を破棄し、請求を棄却した。管財人側の敗訴が確定した。藤田宙靖裁判長は「課税当局が第一相研を人格のない社団と認定し、法人税を課税したことには合理的な理由がある」と述べた。

 第一相研が、法人税の課税対象となる「人格のない社団」に当たるとした課税当局の判断の是非が争点だったが、判決は、第一相研が外見上、総会、理事会などの組織を備えていたことに着目。「課税当局の認定に誤りがあるとしても、誤認であることが当時から明白とは言えない」として、課税処分を有効とした。

 管財人が抱える債務の残高は、6万人近い被害者に対して計約150億円に達する。今回の判決で、最終配当が10億円以下にとどまる公算が大きくなり、1970年代前半に社会問題化した過去最大規模のネズミ講事件は、十分な被害救済ができないまま、破産手続きの終了を迎えることになる。

 問題となったのは、税務署などが、第一相研に納付させた、72—77年の法人税など計106億円。80年に内村元会長が破産したため、管財人は90年、返還を求めて提訴した。

 熊本地裁は、税務署の判断は妥当だったとしたが、福岡高裁は、「元会長の個人事業であり、法人税課税は誤り」と判断、破産管財人側の一部勝訴の判決を言い渡した。これに対し、国などが上告していた。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040713-00000303-yom-soci