2004年07月12日(月) 15時25分
長野・白骨温泉、8年前から入浴剤で湯を着色(読売新聞)
北アルプスの懐に抱かれ、乳白色の湯で人気が高い長野県安曇村の白骨(しらほね)温泉の公共野天風呂で、湯に市販の入浴剤を入れて着色をしていたことが12日、わかった。着色は約8年前から続けていたという。
野天風呂を運営する白骨温泉旅館組合(小日向義夫組合長)によると、1996年ごろ、湯量の減少に伴い源泉を移動した際、湯の色が灰色に変色した。管理人がたまたま群馬・草津温泉の成分の入った入浴剤を入れたところ、以前と同じような湯の色になったため、毎朝約0・8リットルを混入するようになった。さらに、温泉内の13旅館のうち2旅館が数年前から、天候や湯の温度の変化で白濁しなかった日に入浴剤を使っていた。組合の歴代役員たちも、こうした事実を知りながら黙認してきたという。
外部からの指摘を受け、同組合は今月8日から入浴剤の使用をやめた。小日向組合長は「乳白色の湯というイメージが浸透しており、湯が元の色に戻ったという喜びが勝ってしまった。お客様を欺いてしまったことをおわび申し上げたい」と話す。野天風呂の運営を委託している同村は「村に報告もなく、遺憾。今後は襟をただして営業してほしい」としている。
白骨温泉は年間約40万人の観光客が訪れる。泉質は硫黄泉(単純硫化水素泉)で、神経痛などに効能があるとされている。94年にオープンした野天風呂は、温泉内では唯一の公営露天風呂で、年間約7万人の日帰り温泉客が訪れる。(読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040712-00000304-yom-soci