2004年07月12日(月) 22時44分

破断事故隠し関与、三菱ふそうが幹部を懲戒解雇（読売新聞）

　三菱ふそうトラック・バスが、リコール（回収、無償交換）を届け出た大型車のクラッチ欠陥に関し、２件の破断事故を隠していた問題で、同社のヴィルフリート・ポート社長は１２日、東京・霞が関の国土交通省で記者会見し、「社会をお騒がせしたことを深くおわびする」と謝罪した。

　また、今回の事故隠しは、同社品質管理部門の部長級幹部が個人の判断で行ったものだったとして、この幹部を懲戒解雇処分としたことを明らかにした。

　ポート社長は会見に先立つ同日午後７時半、今回の問題について実施した社内調査結果を国交省に報告。虚偽報告を行ったことについて、金沢悟・自動車交通局長に陳謝した。

　記者会見では、事故隠しについて、「他の社員や経営陣の知らないところで行われていた」と、部長級幹部の単独行為だったことを強調。「今後は個人の誤った報告が、社の正式発表にならないよう再発防止に努める」とした。

　２件の事故は、いずれも今年６月に発生。同社は７月８日、リコールで回収した６件のクラッチ部品について「最大で２０センチ程度の亀裂があった」と記者会見で公表し、国交省にも同様の内容を報告した。しかし、同社は翌９日になって、６件のうち２件はトラックが自走できなくなる「破断事故」で発覚したもので、リコールで見つかったのではなかったと修正した。

　一方、国交省は１２日、クラッチ欠陥の対象車のユーザー向けに同省が作成したダイレクトメールを公開した。三菱ふそうが隠していた破断事故に関し、「一歩間違えれば大惨事となる重大な事案」として、緊急点検を速やかに受けるよう求める内容で、週内に送付する予定。（読売新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040712-00000114-yom-soci