2004年07月10日(土) 03時16分
三菱ふそう 破断を亀裂と虚偽報告 リコール部品(産経新聞)
国交省「運行停止を」
大型車のクラッチハウジング欠陥問題で、三菱ふそうトラック・バスは九日、リコール(回収、無償修理)で回収した部品から「亀裂」が見つかったと公表した六件のうち、実際は部品の周囲全体に亀裂が及んで「破断」していたケースが二件あったことを明らかにした。不具合状況を取りまとめていた部長級担当者の虚偽報告が原因としており、同社はこの担当者を職務からはずした。
また同社は、亀裂はリコールの際の点検で見つかり回収したとしていたが、実際はクラッチの不具合で大型トラック二台が路上で走行不能になったことから分かったという。事態を重視した国土交通省は、同社に対して、運転中に振動など異常を感じた場合は点検を終えるまで運行を停止するようユーザーに通知するよう指示。同社はクラッチ点検専門のチームを結成し、出張点検を実施する。
走行できなくなった二台のうち一台は六月二日、首都高速道路駒形インターチェンジ(東京都墨田区)付近で走行中に異音が発生するとともに走行不能になった。もう一台は静岡県内でユーザーから振動が大きいと連絡が入り、同社の販売会社がレッカー車で移動させた。
部品に生じた亀裂について、担当者はそれぞれ「十一センチ」「十センチ」と上司に報告していたが、実際には二台とも亀裂が直径約五十センチ、周囲約百五十センチのクラッチハウジングの全周に及び、一件はプロペラシャフトが脱落していた。
この欠陥で三菱ふそうは五月、「ザ・グレート」など約七万五千台をリコール。点検で亀裂が見つかり新品と交換するなど措置が済んだのは今月六日現在、約九千三百台にとどまっている。(産経新聞)
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