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2004年07月10日(土) 00時18分

返済金受取証書、7日後交付でも違法…最高裁読売新聞

 商工ローン大手「イッコー」(大阪市)から融資を受けた業者が、違法な高金利を支払わされたとして、同社に過払い金返還を求めた訴訟の上告審判決が9日、最高裁第2小法廷であった。滝井繁男裁判長は同社勝訴の2審判決を破棄し、審理を東京高裁に差し戻した。

 訴訟では、貸金業者に利息制限法の上限を超える金利を認めた貸金業規制法の「みなし弁済」規定が、どういう場合に適用されるかが争点となった。貸金業者は、顧客から返済があれば直ちに受取証書を交付しなければならないが、同小法廷は「7—10日以上後に交付したのは返済直後と言えない」との初判断を示した。

 今回訴えていたのは、群馬県の写真現像業者。1997—2000年、当時の出資法のほぼ上限となる年40%近い金利でイッコーから融資を受けた。業者は過払いがあったとして約140万円の返還を求めて提訴、イッコー側も未返済の元本約300万円の支払いを求めて反訴した。

 前橋地裁判決は業者の請求を認めたが、東京高裁判決は請求を退けたため、業者が上告していた。

 原告弁護団は「大手貸金業者ほど、事務処理の都合で交付日が遅いところが多い。今回の判決で被害者救済の流れが一層定着する」と評価している。

 受取証書には返済金を利息や元本に充当した状況などが記載され、借り手が異議申し立てしやすくするなどの趣旨で直ちに交付することになっている。しかし、最高裁では「20日より後は違法」との判決があるだけだった。この日の判決で、高金利に苦しむ借り手の救済範囲が一段と広がることになる。

 貸金業者は、利息制限法で定めた年15—20%を超える金利を受け取った場合でも、みなし弁済規定の要件を満たせば有効と認められており、多くの貸金業者は出資法の上限金利(現在は29・2%、2000年の改正前は40・004%)との間で営業している。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040709-00000414-yom-soci