2004年07月09日(金) 15時02分

不正取得に有罪　佐賀地裁判決「信頼低下招く行為」　住基カード（西日本新聞）

　知人になりすまして佐賀県鳥栖市から住民基本台帳カードを不正に取得したなどとして、有印私文書偽造、同行使、詐欺の罪に問われた住所不定、訪問販売業石井幸一被告（４６）の判決公判が九日、佐賀地裁であった。坂主勉裁判官は「住基カードのネットワークに対する国民の信頼低下を招く行為。行政サービスに与えた影響は大きい」として、懲役二年、執行猶予四年（求刑懲役二年）を言い渡した。

　石井被告は住基カードの不正取得で全国で初めて逮捕、起訴された。事件を機に全国の自治体でカード交付の際、本人確認の手続きを厳格化する動きが相次いだ。

　判決によると、石井被告は昨年九月、鳥栖市役所で、市内の知人男性の名前や住所を使って同カードの発行を申請。交付されたカードを身分証明書として使い、借入限度額十万円のカードローン付き口座を銀行に開設し十万円をだまし取った。

　検察側は冒頭陳述で、石井被告が約三千万円の借金をつくり、返済するため、同カードを利用して金融機関から計約六十万円を借りたと指摘していた。（西日本新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040709-00000071-nnp-kyu