2004年07月06日(火) 11時10分

ユビキタス、２０１０年に８７兆市場に…情報通信白書（読売新聞）

　麻生総務相は６日の閣議に２００４年版「情報通信白書」を提出し、了承された。パソコンや携帯電話、電化製品がいつでも、どこでもネットワークでつながる「ユビキタス」社会が実現しつつあるとし、関連市場規模は２０１０年に８７兆６０００億円と、２００３年の約３倍になるとの予測を示した。

　同時に、「個人情報保護が最大の課題」と指摘し、個人の７３％、企業の３７％が対策を取っていない危うい情報化社会の現状に警鐘を鳴らした。

　日本のインターネットの利用人口は２００３年末で７７３０万人に上り、普及率は初めて６０％を突破した。こうした現状を踏まえ、２００４年白書は、世界で最も安く、高速な世界最高水準のブロードバンド（高速大容量通信）の環境が整ってきているとして、ユビキタス社会への課題や経済的な影響を分析した。

　白書は、情報通信基盤や電子商取引をはじめとしたユビキタス関連市場の経済波及効果は２０１０年に１２０兆５０００億円と試算。２００３年からの累計は６１１兆１０００億円に上り、経済活性化につながると記している。

　ただ、通信事業者などから個人情報の流出が相次いでいることから、「社会全体で取り組むべき課題も多く存在する」と、さらなる安全性向上や個人情報保護の強化が必要とした。

　電車内での携帯電話使用やカメラ付き携帯電話での人物の無断撮影、ネット上の掲示板での中傷など、社会問題化している「マナー」の問題も初めて取り上げ、「個人や企業が自覚と責任を持ち行動していくことが求められている」と強調した。（読売新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040706-00000301-yom-bus_all