ユビキタス市場８７兆円へいつでもどこでもネット接続（東京新聞）

2004年07月06日(火) 00時00分

　麻生太郎総務相は六日、いつでもどこでもネットワークに接続できる「ユビキタス社会」が進み、二〇一〇年には八十七兆円市場になるなどとした〇四年版の「情報通信白書」を閣議に提出し、了承された。

　白書では、日本の通信ネットワークの現状として、パソコンだけではなく携帯電話など端末からネット接続する傾向も増し、ブロードバンド（高速大容量）通信が着実に普及。世界で最も低料金で高速であると指摘している。

　ＡＤＳＬ（非対称デジタル加入者線）や光ファイバーなどを合わせた契約数は〇三年度末で千五百万件に迫っており、米国、韓国に次いで世界三位に位置付けられたことを示した。

　携帯電話の契約数も八千万件を突破し、携帯のインターネット対応率は８９・５％と世界トップ水準。

　高速で大容量のデータ通信が可能な第三世代携帯や、カメラ付き携帯など端末も進化、急成長していると強調した。

　白書は、ユビキタス関連市場（〇三年に二十八兆七千億円）が今後、情報家電やＩＣタグ（電子荷札）、非接触型ＩＣカードなどの需要が膨らむことで、一〇年には約三倍に当たる八十七兆六千億円にまで急拡大。経済波及効果は百二十兆五千億円になると予想した。

　ただ、ユビキタス社会のサービス使用に関するアンケート結果（複数回答）では、「詐欺・悪質商法」（６２・７％）や「企業保有の個人情報の流出・不正利用」（５９・７％）などを不安視する声も多かった。

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