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5割増しの残業代を払っても、新たに人を雇うより安上がり——。厚生労働省が、賃金や社会保険料などを含め、企業が人を雇うことでかかる「労働費用」を試算したところ、こんな結果が出た。長時間残業がなくならず、5%近い失業率が改善されない背景が浮き彫りになった。
従業員30人以上の事業所に勤める正社員を対象に、厚労省の02年の毎月勤労統計調査と就労条件総合調査のデータから試算した。
賃金のほかに社会保険料やそのほかの福利厚生費、教育費などを加味した労働費用に注目。所定労働時間内に仕事をこなし切れない場合に、(1)新しく人を雇う(2)人を雇わずに割り増しの残業代を払って残業させる、二つの方法について比べた。
その結果、新人を雇った場合、1人1時間当たりの労働費用は3127円だった。一方で、割増率ゼロで残業させた場合の労働費用は1時間当たり2055円となった。52.2%まで割り増ししても、同額になる。
90年の前回試算では、69.3%までの割増率で新人採用と同額だった。現実に企業が支払っている残業代の割増率の平均は、法が下限として定める25%をやや上回る程度。企業にとっては、残業代の方がはるかに安上がりである実態が分かった。(07/06 15:50)