2004年07月06日(火) 12時37分
<薬事法違反>医薬品無許可販売でオウム最高幹部ら6人逮捕(毎日新聞)
オウム真理教(アーレフに改称)信者による医薬品の無許可販売事件で、警視庁生活安全部と公安部などは6日、教団幹部の野田成人容疑者(37)ら信者6人を薬事法違反容疑で逮捕し、東京都足立区六木3の教団関連施設など計47カ所を家宅捜索した。野田容疑者は教団の最高幹部の一人で、現在も「裏金庫番」として経理を担当しているとみられる。両部は、組織ぐるみの無許可販売で教団運営資金を稼いでいた疑いが強いとみて追及する。
他に逮捕されたのは、教団出家信者の安田祥子(40)と奥村道子(41)ら4容疑者と、在家信者1人。
調べでは、野田容疑者らは教団東京道場長の井上崇被告(35)=同法違反で起訴=らと共謀し、03年2月下旬〜今年4月、都知事の許可を受けずに全国の720人に皮膚薬「桃源クリーム」計約2300個を約1900万円で郵送販売した疑い。この薬には副作用のあるステロイド成分が含まれ、「アトピーに効く」と宣伝しインターネットで販売していた。警視庁はこのうち半分以上の約1000万円が教団に流れたとみている。
公安当局によると、野田容疑者は、上祐史浩代表の「正大師」に次ぐ「正悟師」の地位。教団が公安調査庁に提出した書類では「役員」とされている。東京大理学部在学中の88年に入信し、95年の地下鉄サリン事件当時は教団の車両省大臣だった。教団の経理を担当し、以前は信者らを役員にしたコンピューター関連会社からの収入を管理した。株売買などを通じ、現在も教団の資金管理にかかわっているとみられる。
教団の資金源の半分は信者のお布施だが、最近は減少している。5月に全国11カ所で春のセミナーが開かれたが、出席者は約370人(前年同期約400人)、高額のイニシエーション(儀式)を受けた信者は約25人(前年同期約300人)で、お布施も約2000万円(同約3000万円)だった。【田中義宏】(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040706-00001051-mai-soci