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2004年07月06日(火) 11時58分

アーレフ最高幹部ら6人を薬事法違反容疑で逮捕 警視庁朝日新聞

 アーレフ(オウム真理教から改称)の信徒らが医薬品成分を含むクリームを違法に販売したとされる事件で、教団上層部が関与した疑いが強まったとして、警視庁は6日午前、最高幹部の1人、野田成人容疑者(37)と信徒ら計6人を薬事法違反(無許可販売)容疑で逮捕した。また、教団の本部機能がある東京都世田谷区の施設や杉並区の東京道場、6人の居宅など47カ所を家宅捜索した。野田容疑者は黙秘しているという。

 野田容疑者は教団に5人いる「正悟師」と呼ばれる階級で、「正大師」の上祐史浩代表につぐ地位にある。財政部門を長く担当して教団の意思決定にもかかわっているとされることから、警視庁は、違法な薬物販売を教団の資金源にしていた可能性もあるとみて調べを進める。

 生活安全部と公安部の調べでは、野田容疑者らは東京道場の信徒らと共謀して昨年2月から今年4月にかけて、医薬品成分のステロイドを含む「桃源クリーム」約2300個を都知事の許可を得ずに約720人に計約1900万円で販売した疑い。

 野田容疑者は、クリームを製造した立川市の医薬品販売「漢宝堂」代表中野清被告(36)=同法違反罪(無許可製造、販売)で起訴=と信徒が代理店契約を結ぶなどして、インターネットを通じて違法に販売していたことを知りながら、容認していたという。

 クリームは「アトピー性皮膚炎に効く」との触れ込みで1個8000円で販売していた。かぶれなどの症状を訴える人もいたという。

 この事件では6月、アーレフ東京道場長の井上崇被告(35)ら9人が同法違反容疑で逮捕され、うち8人が起訴されている。

 野田容疑者は兵庫県出身で地元の進学校を卒業後、85年に東大に入り、理学部物理学科に進んだ。大学3年の87年に出家信者となり、大学も中退した。オウム真理教時代は「科学技術省」の前身だった「真理科学技術研究所」に所属し、94年に省庁制が導入されると「車両省大臣」となった。

 正悟師になったのは、オウム真理教の代表だった松本智津夫被告が逮捕されるきっかけとなった95年3月の強制捜査直前。松本被告の逮捕後には、教団の意思決定機関として設けられた「長老部」の一員となり、資金集めなどを一手に引き受けていたとされる。アーレフによると、現在は信徒の指導を担当しているという。

 教団は00年1月にオウム真理教から改称し、上祐幹部が02年に代表に就いた。しかし、上祐代表が公の場に姿を見せなくなった昨年10月以降は、野田容疑者ら正悟師5人による集団指導体制になったとみられている。警視庁は教団運営の実態などについても調べを進める。(07/06 11:58)

http://www.asahi.com/national/update/0706/013.html