悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2004年07月05日(月) 22時53分

上り速度3Mbps以上のADSLサービス実現へ、TTCでようやく技術形式に合意MYCOM PC WEB

通信産業の業界団体・情報通信技術委員会(TTC)は、DSL専門委員会のスペクトル管理サブワーキンググループ(SWG)の第13回会合を開催した。上り伝送速度の高速化を実現させるための技術について、各社が合意、これにより、上りで3Mbps以上のサービスが、およそ1カ月後には開始される見通しとなった。この問題は、昨年秋頃から審議が始まったものの、意見が対立、決着までに約9カ月かかった。

今回の妥協案は、TTCの技術指針「JJ100.01」第3版が制定されるまでの暫定的なもので、EU方式の上り帯域を138-483kHzまでとし、下り4Mbpsの伝送速度を保障できる距離から、安全確保のためさらに500m差し引いた距離とする。また、SUQ/SUQ2方式も暫定運用が可能となった。いずれも問題が発生した場合は、対策を講じる。

これは、イーアクセス、NTT東日本、西日本、KDDIなどが出していた案をほぼ踏襲したものだ。これまで、ソフトバンクBB、アッカ・ネットワークスなどは、EU方式の上り帯域を276KHzまでと主張、前回会合では、この点で対立したが、両者は今回会合で妥協、合意にこぎつけた。

この件では、12回会合でSWGの上部機関であるDSL専門委員会での表決にゆだねることが決まったが、同委員会でも結論に至らず、結局はSWGで、全体の4/5の賛成を必要とする表決で決着するという方針となった。しかし、最終的には表決策は採られず、13回会合の途中、審議をいったん中断、各社1人ずつの代表者による、特別の合議により暫定案が示され、全会一致での合意となった。

会合で暫定的な議長役を務めたサブリーダーの吉井伸一郎北海道大学助教授は「表決によらない決着でよかった。合意形成に最善を尽くしてきた。ユーザーの方々にも迷惑をかけたが、これで(上りを高速化した)サービスに入れる」と述べている。SWGでは、池田佳和東京工業大学教授がリーダーだったが、12回会合で任期が切れ、今後、吉井氏がリーダーに選出される見通しだ。

これでようやく、上りが3Mbpsを超えるADSLサービスが実現する。サービスを開始するには、TTCでの暫定案決定、各社の約款改定申請、NTT東西の認可を経る、という手続きが必要で、この間1カ月程度になるとみられる。

(大川淳)

取材画像はこちら
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2004/07/05/005.html

ADSLの上り高速化はどうなる? TTCスペクトル管理SWG 未だ対立解消に至らず
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2004/06/15/001.html

ADSLの上り高速化目指す技術標準は依然、TTCの事業者間協議で結論出せず
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2004/03/05/001.html

上り高速化したADSLサービスはさらに先送りへ--TTC会合で事業者間対立
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2004/01/30/001.html

Yahoo!BB、45M ADSLを3千円台で1月31日から開始 - 上り速度は当面1Mbps
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2004/01/16/010.html

情報通信技術委員会(TTC)
http://www.ttc.or.jp/

(MYCOM PC WEB)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040706-00000095-myc-sci