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青森県弘前市の国立病院機構弘前病院で起きた放射線の過剰照射事故で、患者の健康への影響を調べていた調査委員会（委員長＝古賀佑彦・藤田保健衛生大名誉教授）は５日、生存患者７８人中、３０人に副作用による肋骨（ろっこつ）骨折などの障害が出ているとの調査をまとめた。一つの病院で、数十人規模の副作用が認められたのは初めて。
過剰照射を受けた患者は９０〜９９年の間に計２７６人。このうちすでにがんなどで１８８人が亡くなっており、調査委では生存している８８人中、健康への影響が懸念される照射総線量４０グレイ以上の患者７８人を対象に、画像診断や医師の診察などを行い障害の有無を調べた。
その結果、４人は放射線の影響がなく、７４人のうち４４人は通常の放射線治療で起こる範囲内の障害で、３０人を過照射による影響と判定した。乳がん治療に伴う照射が多かったため、肋骨骨折や乳房変形などの障害が多い。
古賀委員長は「肋骨骨折の患者も治癒し自覚症状はなくなっている。現在、胸に水がたまり胸部圧迫や呼吸困難などを訴えている患者の治療をしている」と話している。
(07/05 21:41)