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2004年07月03日(土) 00時00分

「整理屋」詐欺が増加朝日新聞・

 債務1本化持ちかけ→「保険金」取り→逃走

 複数の返済先を抱える多重債務者に債務の一本化をもちかけ、保証金などの名目で金をだまし取る「整理屋」詐欺の被害が増えている。県警捜査4課と春日部署が逮捕した整理屋詐欺のグループによる被害は、5千万円を超えた。県警は、背後で暴力団がグループを操り、ヤミ金融に次ぐ新たな資金源にしている可能性もあるとみている。


 グループ逮捕 被害額5000千万円超

 県警がこれまでに詐欺容疑で逮捕したのは、東京都昭島市朝日町2丁目、無職久本陽介被告(25)ら4人(3人は詐欺罪で起訴)。さらに10代の男1人を同容疑で指名手配している。

 調べでは、久本被告らは東京都新宿区のビルの一室から、全国の多重債務者に融資を持ちかけるはがきを送付。「外資系金融機関から1千万円まで融資」「借金を一本化しませんか」といった文言で、自社を通じた融資で別の金融業者への借金を返済させ、返済先を自社だけに「整理」するよう誘う。1日約3千枚ものはがきを発送し、郵便局員に取りに来させるほどだったとされる。

 債務者には、今後の返済を確約させるための「保証金」を振り込ませる。保証金は最初は4万〜10万円程度で、支払いを確認すると「ブラックリストから名前を消すのに40万円かかる」「外資系なので両替用に200万円が必要」と言い、振り込みを続けさせる。

 岐阜市の男性会社員(22)は昨年9月、こうした手口で1日5回の振り込みを求められ、計350万円をだまし取られたという。

 久本被告らは実際には一度も融資することなく、1カ月ほどで事務所を引き払って逃走する。県警が確認しただけで、全国の285人から計約5670万円が容疑者らの名義の口座三つに振り込まれていたという。

 借金の一本化を持ちかけ、法外な手数料を取る整理屋と呼ばれる業者は90年代からいたが、今回の手口はそれを模したうえ、融資の実体が全くない詐欺。摘発例はこれが初めてだ。

 金銭問題の相談を受け付けている金銭管理カウンセリングサービス東京事務所(東京都中央区)によると、1日1、2件はこうした手口の相談が来る。「○○信用保証協会」といった架空の肩書で信用性のある業者を装うなど手口は巧妙だという。

 ヤミ金融被害対策埼玉弁護団事務局長の小林哲彦弁護士は「今年に入って最も増えたのが保証金詐欺に関する相談。昨年の10倍以上に増えたと感じる」と話す。

 ある金融関係者は「ヤミ金融への法規制が厳しくなり、違法業者が『むしろ保証金詐欺やおれおれ詐欺のほうが稼ぎやすい』と移行しているのでは」と指摘する。

 県警の捜査で、久本被告らは、あらかじめ手口やだまし取った金の処理方法などを体系化した、大規模組織の末端の一グループとみられることが分かってきた。背後には全国的な指定暴力団がいるとみられ、新たな資金源として組織化を進めている可能性もある。県警は金の流れの解明を進め、組織の上層部へ向けた捜査を続けている。

(7/3)

http://mytown.asahi.com/saitama/news02.asp?kiji=5554