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約２７０の学会の会員管理や学会誌発送などの事務を請け負っている財団法人「日本学会事務センター」（東京都文京区、理事長＝光岡知足・東京大名誉教授）が、財務状況が悪化したため、各学会から預かっている金を借金の返済に流用していたことがわかった。センターは今年３月末の段階で約６億円の債務超過の状態になっている。
センターや、法人を所管する文部科学省によると、センターは９２年に文京区内にビルを建設。その後資金繰りに行き詰まり、各学会から預かった約１６億円のうち約５億円をビル建設に伴う債務の返済にあてていた。各学会には事情を説明していなかったという。
センターは２日、文科省に人件費の抑制や事務所の統合などのリストラ策を盛り込んだ再建計画を提示。文科省は計画の着実な実行と関係者に早期に事態を説明するよう求めた。センターは近く、各学会に経緯を説明する。
センターは「非常に不適切な経理で、学会の理解を得ることは難しいかもしれないが、職員の整理などを実行し、再建を果たしていきたい」と話している。
センターは７１年、学会ごとに事務をする非効率を避けることなどを理由に設立された。７３年に財団法人になっている。
(07/03 21:11)