悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。
また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。
全国に79ある大学病院の質を比較し評価する初の試みが始まった。国公私立大学医学部と付属病院でつくる全国医学部長病院長会議が、患者の満足度や手術件数など200項目以上をアンケートしてまとめる。各病院が格差の実態やその中での自らの位置を知って、水準向上に動くことが狙いだ。途中集計で、1床当たり看護師数で2倍近い差があるなど格差の一端が明らかになっている。
調査票は今年1〜3月に全大学病院に郵送、これまでに48病院から回答があった。
その集計によると、1床あたりの看護師数は0.5人〜0.9人と、約2倍の開きがあった。病院を通じて患者に尋ねた満足度では、「この病院に来てよかったと思うか」という質問に「非常によかった」「よかった」と答えた患者の割合は平均で9割に達したが、6割台にとどまった病院もあった。
ある病院では、患者の2割以上が「患者の話を聞く」「病状説明をもっとする」などの要改善点を挙げていた。
院内感染への配慮を示す、職員のインフルエンザ予防接種率や、医療事故防止への医師の意識の高さを反映する、インシデントリポート(医療事故につながりかねない出来事の報告書)を医師自らが提出している割合、また、磁気共鳴断層撮影(MRI)の画像判読を、専門の放射線科の診断医が担当している割合などにも、かなりの差があった。
最終結果は8月ごろまでにまとめ、発表する。個別の病院の「成績」が分かる形では公開しないが、各病院自らの公開が進めば、それと合わせて一般の人も各病院の実力を知ることができる。
調査をまとめている永井良三・東京大学病院長は「大学病院のあり方を考える貴重なデータ。毎年続けて蓄積していきたい」としている。
(07/03 17:48)