2004年07月03日(土) 03時05分
<電源開発>ダム水浄化技術を応用した家庭用洗剤を発売(毎日新聞)
特殊法人から昨年10月に民営化された卸電力会社「電源開発」がダムの水浄化技術を応用し、家庭用洗剤市場に今春、参入した。本業の電力さえ電力会社に供給するだけで、家庭や企業向けの小売り販売をしていない同社が、一般消費者向け商品を本格的に扱うのは初めて。販路開拓のため広告会社と提携し、滑り出しは好調で、第2弾に台所用洗剤を来年初めにも売り出すことも決めた。
同社は3月中旬、アルカリイオン水を原料にした多用途洗剤「VOE」の販売を始めた。台所や床の掃除、洗濯にも使える希釈用原液(300ミリリットル3780円)と携帯用の50倍希釈アトマイザー(420円)の2種類を製品化した。アルカリイオン水は、小さくなった水分子の働きで汚れを分離する。界面活性剤や漂白剤、蛍光剤が含まれないため、環境に優しく、肌あれもしにくい。
子会社「電源開発環境緑化センター」(現ジェイペック)が発電用ダムの水浄化を研究中に、電磁的な処理でマイナスイオンを閉じ込めた水に、洗浄作用があることを発見した。2年前から食品工場向けなどの産業用として洗剤を販売してきたが、民営化を機に家庭用を製品化した。「楽天」が運営するインターネット上の商店街や通信販売が中心だが、東急ハンズでも5月上旬から町田店(東京)で取り扱いが始まった。消費者の反応が良かったことから、6月には全店での販売が決まった。
価格は、通常の合成洗剤の数倍。用途に合わせて薄めて使うとはいえ割高だが、同社は洗浄能力が高く、ニーズはあるとみて、第2弾として、台所用洗剤の商品化も決めた。「詰め替えタイプの商品がほしい」「無色透明だと洗った達成感がない」などの購入者の意見を参考に、半年先の発売を目指して開発を進めている。台所用の濃度に設定して、価格を抑えるほか、制菌作用などの実験データをそろえて効果をアピールすることを計画している。
同社新事業部の庵屋敷和史副部長は「ラインアップをそろえて、スーパーで置いてもらえるようになれば、3年間で数億円の売り上げも現実になる」と期待を膨らませている。【小平百恵】(毎日新聞)
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