2004年07月03日(土) 03時05分
<兵庫県警不祥事>パトカー1台で月8件検挙がノルマ(毎日新聞)
兵庫県警自動車警ら隊の捜査書類偽造問題で、同隊員はパトカー1台(2人勤務)で月8件の検挙を「目標」として課せられ、未達成者は始末書を提出させられていたことが2日、分かった。こうした事実上のノルマ制や実績を点数化するシステムがプレッシャーとなり、一部の隊員を書類偽造に走らせる要因になったとみられる。
関係者によると、月間目標は1台当たり刑法犯6件、特別法犯2件の計8件。未達成では原因や今後の対策をまとめた始末書を提出するほか、場合によっては翌月分に積み増しされることもあった。検挙内容も、自転車盗なら「40点」、バイク盗なら「80点」などとポイント化し、隊内で競わせていた。
県警調査チームのこれまでの調べでは、虚偽公文書作成容疑で立件対象となる見通しの不正処理約10件はいずれも自転車盗などの「微罪処分」の被害者でっち上げだったことが分かっている。
背景には、職務質問で自転車盗を検挙しても、所有者から被害届を出してもらわないと微罪処分にできない内規があった。この場合、隊員は、正式に書類送検手続きに入るか、検挙はあきらめて署に自転車だけを引き継ぐことになる。
ある元隊員は「正式な書類送検は微罪処分の3倍くらいの手間がかかり、隊員も管轄署員も手が回らないのが実情」と打ち明ける。簡単に検挙件数とポイントを稼ぐ手段として捜査書類の偽造が考え出されたとみられる。【村元展也】(毎日新聞)
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