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国内を走る三菱製大型車は現在約130万台。商用車部門を引き継いだ三菱ふそうトラック・バスが今年3月以降、過去の欠陥隠しを認めてリコール(無償回収・修理)やそれに準じる措置を取ることを表明した欠陥は49件、約60万台にのぼるが、1日までにリコールが正式に届け出されたのはわずか5件。暫定的な対策を含めても点検・改修を受けた台数は約6万台に過ぎない。事故を起こしかねない欠陥車が走り続けているが、対策は後手に回っている。
山口県で02年、衝突死事故を起こした「クラッチハウジング」の欠陥は、届け出から1カ月が過ぎたが、点検に応じた車は6月末現在、対象7万5千台のうち8385台だけ。部品が脱落して後続車を巻き込んだり、ブレーキが利かなくなったりする恐れがあるが、営業の都合からユーザー側も点検に積極的でない。
横浜市で同年、重さ140キロの車輪が外れて起きた母子死傷事故の原因となった欠陥ハブの交換は4割が済んだが、交換した最新型のハブも強度に疑問がある。進行中の検証作業で最新型のハブも不可となれば、対策完了はさらに遅れる。
1日に始まった緊急・無料点検は三菱ふそう系販売会社が全国300カ所に置く整備工場で実施される。提携する約1200の整備工場にも協力を要請する予定だが、工場を確保しても整備士が足りない。同社は人員の7割増が必要とみて、工場の生産ライン要員を全国へ送り出す考えを示しているが、工場ではリコール対策部品の生産がフル稼働の状態。「整備に何人回せるかめどが立っていない」という。
一方、対象車両は昼夜を問わず走る営業車だ。全日本トラック協会は「止めるなら休業補償の話も出る。一刻も早く運行を止めるべき重大欠陥と、注意すれば走れる欠陥の区分けを示してほしい」と指摘するが、三菱側に具体案はない。(07/02 00:20)