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2004年07月02日(金) 03時04分

ソフトバンク、英系通信会社を買収へ 法人向け事業強化朝日新聞

 ソフトバンクが、英通信大手ケーブル・アンド・ワイヤレスから、日本法人ケーブル・アンド・ワイヤレス・アイディーシー(C&WIDC、本社・東京)を買収する交渉を進めている。C&WIDCは法人に強く、ソフトバンクは日本テレコム買収に続き、NTTに対抗して法人部門を強化、IP(インターネット・プロトコル)電話事業などを拡大する狙いとみられる。

 関係者によると、ソフトバンクによるC&WIDCの買収額は100億円前後になる見通し。C&WIDCが取引する法人数は約4万社。ソフトバンクは5月27日に法人約17万社と取引のある日本テレコム買収を発表しており、一気に延べ20万社以上の取引先を確保することになる。

 日本の通信市場は、個人向けは価格競争が激しく、法人向けも4月から相対契約で料金を自由に決められるようになるなど競争が本格化、通信各社の主戦場となっている。法人向けは伝統的にNTTグループが強く、ソフトバンクはその「牙城(がじょう)」に切り込む。

 C&WIDCは企業に代わってサーバーを運用管理する事業が強み。インターネットで音声をやりとりするIP電話には高品質のサーバーが不可欠で、ソフトバンクはC&WIDCの得意分野をテコに法人へのIP電話やブロードバンド(高速大容量通信)などの売り込みを図る、と見られる。

 この買収が実現すれば、個人向けの非対称デジタル加入者線(ADSL)サービス「ヤフーBB」などに偏重したソフトバンクグループの事業構成も大きく変わることになる見通し。

 一方、英C&Wは今回の買収が決まると、03年に撤退した世界一の通信大国米国に続き、第2位の日本からも撤退することになる。英本国でのIP通信事業や、今後通信自由化が見込まれる発展途上国に経営資源を集中していくとみられる。

    ◇

 〈ソフトバンク〉 ADSLサービス最大手。世界最大級のポータルサイト「ヤフー」の株含み益を背景に多額の資金を調達し、01年に通信事業に本格参入した。04年11月には日本テレコムを買収する予定。04年3月期連結決算の売上高は5173億円、当期損益は1070億円の赤字。

 〈C&WIDC〉 伊藤忠商事や英C&W、トヨタ自動車などが、旧KDDに対抗して86年11月に出資して設立した国際電話会社「国際デジタル通信企画」が前身。99年、C&WがNTTと買収合戦を繰り広げ、株式公開買い付け(TOB)で約97%の株を取得、現在の社名に。日本初の外資系通信会社としてデータ通信や国際・長距離通信事業などを展開している。(07/02 03:04)

http://www.asahi.com/business/update/0702/002.html