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2004年07月01日(木) 00時00分

米BSE3例目疑い 消費者の不安拡大も 東京新聞

 米国で三十日(日本時間)に牛海綿状脳症(BSE)の感染の疑いがある三頭目の牛が見つかった問題は、牛肉の輸入再開に向け米国で開催中の作業部会や今後の日米協議に大きな影響を与えそうだ。感染確定後に判明した出生場所や出生時期で、米国が主張してきた安全性の根拠が根底から崩れかねないためだ。 (古川雅和)

 五日間で二頭も感染を疑う牛が見つかったことで、日本の消費者の米国産牛肉に対する懸念が強まる可能性もある。政府はより厳しい態度で交渉に臨まなければならなくなりそうだ。

 三頭目の疑いに農水省は「予想した範囲」(幹部)と冷静に受け止めている。米国は六月一日から検査を強化したが、現地視察した政府調査団や米国が依頼した国際調査団が感染牛が見つかる可能性を指摘していた。

 ただ、感染確定後の同省の対応は変わりそうだ。米国は一頭目の感染牛がカナダ生まれだったことで「米国内は未発生」と主張。一九九七年八月から肉骨粉の使用禁止(フィードバン)が徹底されていると強調し、輸入再開を迫っていた。

 感染が疑われる二頭の出生場所が米国内で、一頭目が見つかったワシントン州以外の場合や、フィードバン後の誕生なら、米国の安全対策が十分に機能していなかったことになる。感染の広がりが把握できない状況になれば、二〇〇一年九月に一頭目のBSEが出た日本と同じだ。

 日本は消費者の不安を抑えるために全頭検査を導入し、「危険な肉が食卓に上がらない仕組み」(農水省幹部)をつくった。米国に対しても、輸入再開には「感染牛が何頭出てもうろたえない仕組みが必要」(政府関係者)と強く訴える方針。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/kei/20040701/mng_____kei_____002.shtml