2004年07月01日(木) 09時13分
Blog への提言(japan.internet.com)
人間には「忘れる」という能力が備わっている。
この能力が機能している人にとってはやっかいなもので、大切なことでさえもメモでもしない限り忘れてしまって、致命傷になることもある。
しかし一方、この能力があるからこそ人間は正常な精神状態を保てるとも言える。いやなことがあったり、落ち込んだりしたことをすべて完璧に記憶していたとしたら、私なら自虐的になってしまって、日々の仕事も手につかなくなるだろう。
しかし、この「忘れる」という能力のおかげで時間が解決してくれる。
ここ数年 Blog が普及しているが、それによる影響を考えると不安になることもある。
一般的に Blog で多いのは、自分の日々の出来事をつづったものであるが、日記という側面を持ち合わせている Blog にはうれしい出来事も書く反面、悲しい出来事や怒った場面も感情的に綴ってしまう。
もちろん人間なのだから、日々いろんな出来事が起こるわけだが、それが記録として Blog に残り、検索エンジンで検索されることによって、せっかく「忘れる」という能力で忘れていたことを思い出すし、他人に検索されて思わぬ誤解を生じる可能性もある。
そこで Blog にも忘れる機能を盛り込んでみてはどうだろうか。
最近書き込まれた記事は普通に表示されるのに対して、古い記事になればなるほどフォントの色がセピア色にあせていき、最後には記事が消えてしまう機能があればいいかもしれない。
昔どこかで「忘れる」機能を盛り込んだ付箋サービスを見た記憶があるが、それ以外では心当たりがない。
ITによって便利になる反面、その副作用にも着目してサービス設計をする時代になりつつあるのではないだろうか。
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